フロリゲン [Florigen]
花成誘導
70年間も謎に包まれてきた物質であり「夢(幻)のホルモン」とまで言われた。実体についてさまざまな議論が交わされたが、最近になって正式にホルモンの仲間入り(一部ホルモン扱いしていない場合もあり)。
イネでいうと、葉が日長情報を受容すると維管束でFT(Hd3a)遺伝子が転写され発現、茎長でFDタンパク質と結合。複合体がAP1転写誘導を行い花芽を形成する。通常はCOタンパク質(イネでいうHd1)によりFT遺伝子の発現が抑制されているので花芽形成は起こらないらしい。花芽への輸送や関連相互タンパク質などについては未だ不明。
ごく最近一気に解明が進んだホルモンである。GFPの発見も貢献が大きい。ちなみに漫画での「双子の妹」というのはシロイヌナズナにおけるFTのホモログ、TWIN SISTER OF FT(TSF)に由来する。COタンパク質に誘導されるTSFはFTとよく似た機能を持ち、制御機構を共有しているが、短日条件下など特定の環境で独立に働くことが知られている。