ブラシノステロイド [Brassinosteroid]
伸長成長/細胞分裂/種子発芽/病害抵抗
1960年代、大量の花粉からほんのちょっと発見。1979年に単離。テルペノイド由来のステロイドの一種でメバロン酸から合成。前駆体はカンペステロール。ステロイドラクトン構造を持ち、類縁体は50種を超える。関連するステロイド化合物を総称してブラシノステロイドと呼ぶが、普通は一番活性が高いブラシノライドを指す。
植物界にあまりに広く分布していたため、普遍的すぎて長いあいだ植物ホルモンとしては認められていなかった。オーキシンやジベレリンと似た作用を持つが、こいつだけめっちゃ低濃度(千兆分の1M)でも作用することが出来る。受容体はBRI1。ストレス応答時は他のホルモンと協力して抵抗性を発現。シグナルカスケード活性化機能も持つ。オーキシンと同じく成長促進するが、BRは内部細胞にも働きかけることができ、応答の範囲も幅広い。ただし他のホルモンに比べて植物内で移動しにくいらしい。
細胞や茎の成長には必須であり、特に葉柄、胚軸には重要に働く。また、こいつもエチレン生産に関与している。