ジベレリン [Gibberellin]
節間成長/開花促進/休眠打破/老化抑制
1926年、日本で黒沢がカビから発見。その後数十年西洋では存在すら知られていなかった。 1956年には構造が解明される。ent-ジビレラン基本構造。同族体が極めて多く、発見順に1〜100以上まで番号が付いている。合成の最初の段階は、イソペンテニル2リン酸の合成とその縮合がゲラニルゲラニル2リン酸に合成される段階。イソペンテニル2リン酸はメバロン酸から合成されるのではなく、ピルビン酸/グリセルアルデヒド3-リン酸経由らしい。
GAの同族体同士でフィードバック制御を形成することで活性型ジベレリンの量を調節している。その作用はなんといっても植物を伸ばすことであるが、細胞分裂も促進することが知られている。頂芽、シュートで合成され、核内でGID1と結合し、成長抑制を担うDELLAタンパク質を分解することで植物の背を伸ばす。輸送はNPFまたはSWEETタンパク質が担っている。
イネのバカ苗病カビから単離された、ある意味日本一有名な植物ホルモン。単に伸ばすだけではなく、オーキシンと同様に単為結実(種なしブドウとか)、またビール造りにおける糖化や花芽形成までこなすスゴイやつ。オーキシンもこいつも細胞を「伸ばす」のであって「増やす」のが主な作用ではないところがポイント。